さくさく進みたいのになかなか進まない感想書き。他の方たちはどうやら推理に移っているようなのにー。
自分が読んでなおかつ感想書き終わってから他の方の感想や推理も読みたいので、ずっとうずうずしっぱなしです。
お声がかかったので、次はFブロック。
期間中に全ブロックいけるのか?ちょっと焦っていますよ。
・基本的には愛を込めて書いてます。
・自分の琴線に触れた、つまりツボった作品には、
を捧げます。
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■F01 狭間
Fブロック、カッコよく始まりました!
このさっくりとした短さもカッコよさの一因でしょうか。
ジェームズ・ヒギンズ氏のイメージは、サンダーバードとかの人形でした。英国つながりで。
って違った。樹影国か。(笑)
最終目標が明確で、そこに至るまでの方法に悩みがあるというのはある意味幸せなことですよね。あくまで前向きな悩みに、紳士がさらりと答えてくれる。いい感じです。
次回の市場がどんなところなのか、想像して楽しくなりました。
■F02 覆面朗読会を始めましょう
いい話やー。
主人公の気持ちにも共感できるけど、幼馴染の気持ちも分かる。ごり押しの結果の晴れ舞台でのやらかしって、トラウマになるわ、これ。
幼馴染のほうもつらかったと思いますよ。
両者とも自分の中でわだかまりができて、でもそれが最後にきちんと昇華されて成長が伺えて。
6,000字でそれを書ききった作者さんはとにかくすごい。こんないい話、自分では一生かかっても書けません。
本当に、いい話を読ませていただきました。
■F03 モノクロメトロ
うわやばい。この話もツボだ!
センスいいですよね、この作者さん。言葉の使い方、文章の区切り方。改行の仕方。そういうところがとてもすっきりしている。ドロドロとした情念に、乾いた文章の組み合わせ。
一人だけの告白だと思っていたものが少しずつ分かれていって、いつの間にか3人の思惑が絡み合ってくる。この持っていき方も素敵。
女関係で泥沼になる知り合いがいるんですけど、まさにこの話に出てくるような男なので、久しぶりに彼のことを思い出しました。
ああいう男って、本当にこの手の女の子を見つける嗅覚を持っているよなーとか。まあそれは女の方にも言えることなんですけど。
■F04 ハートブレイク・ランニング
とても女の子らしい、失恋の昇華の仕方。
こういう、二人の出会いの思い出しから楽しかった季節、曇りだした頃、破局のきっかけ、消えた夢。ってぐるぐるするの、誰でも失恋したらやりますよね。
ええ、私はやりましたとも。(笑)
気持ちのプロセスに無理がなくて共感できたのですが、その分、最後の親友二人の登場の仕方が唐突過ぎた気がします。
ともかく、拒まれたからって別れるような最低男はあっちもこっちの気持ちなんか考えていないんだから、早いとこ新しい恋を見つけるのが吉ですよ。
■F05 いろはつき
恋愛物3連ちゃん。意外と恋愛物って自分の好みで好き嫌いが出てしまうのですが、F03~F05はどれも読んでいて厭味がなくていいですね。
その中でもこの話が本当にさわやかで、心地よい。
これから秋と、実際の季節の移ろいにも合わせて書いてきて、文章の端はしにも細かい神経を感じさせて、それが心地よさにもつながってきているのかな。
幼い恋がこれからどう変化してゆくのか、主人公の成長が楽しみですね。
って、私の目線がすっかり親父だ。(笑)
■F06 太陽と月の王国
おお。これはいい童話だ。
読みやすくて、きれいに上手くまとまっている。
お父さん、失ったのは偉大さだけで、豪胆さや行動力は変わらずに、宝を奪還していたんですね。
まあそれで竜に押しかけられることになったわけですが、結果、子供が国を立て直したことですし。
ところで覆面企画名物といえば童話。
このジャンルは隠れ蓑に使われる機会が多いせいか、芸達者な方が書かれるイメージを持ってます。
この話も文章の進め方に淀みがなくて滑らかで、本当に上手いんですよね。
どなたが書かれたんだろうー。気になる。
■F07 許し
白という色の美しさや厳しさ、文字通り色々な面を書ききった、お題消化率No,1のお話。
色に取り組み、登山という特殊状況下に取り組み、それをきちんと読ませるお話にしている作者さんの力量に脱帽です。
ところでここから素朴な疑問。
雪山登山って一人でも行けるのでしょうか?
登山する前に山小屋とかどこかに工程表を提出するってあったような気がするのですが、主人公はそういう手順を踏まずに黙って一人で行っちゃったのかしら。1年前に二人がかりで挑戦して、事故ってしまった場所へ。
途中で、「許せないのなら、このままそっちへ引きずり倒して連れて行ってください。」と言っている場面もありますが、恋人できた男がそれじゃいかんでしょう。それで許したら帰してねって現実的じゃないし、死ぬかも知れない状況だって自分が一番分かっているだろうし。
許されるためには儀式としての事故当時の再現が必要だったというのは、男の心の弱さの現われ。二度も残されることになるかもしれない彼女の気持ちを、何一つ考えていないと思います。
彼女、彼を選んだのは間違いだったんではないのかな。
■F08 愛情木端微塵斬り、同情十把一絡げ
どわー、この話もいいなぁ。
恋愛が成就してこれからのときにぶっつりと切れるという流れで、メキシコ映画の「赤い薔薇ソースの伝説」を思い出しました。あれも切なくてよかった。
いいなぁと思ったのにぎりぎりでツボマークでなかったのは、あともうちょっとカタルシスが欲しかったから。かな?
主人公が死んでしまうことに対して哀れみだけでなく、もっと焦って欲しいし、もっと後悔して欲しい。つまりはもっともっと気持ちを向けて欲しいという女の欲みたいな感情を、もうちょっと満足させてくれたらもっとツボに入ったのになーという、我侭ですね。私の。(笑)
『男は初恋をあきらめる事ができず、女は最後の恋をあきらめる事ができない。』って名言を、上手く物語にしていると思いました。
■F09 絶筆「明赫」~建館の由来
本当に、実力を持った作家さんが多いですよこの企画。
このお話、王子、ひいては王様の心情を吐露する場面は一つもないんですよね。なのに絵の描写で彼の気持ちを読者に分からせてしまう。
喫茶室で知り合った謎の友人とか結局色んな疑問は残るのだけど、主人公の視点でしかお話は語られないっていう鉄のルールで、もう納得せざるを得なくなる。
謎を謎のままにしておくその潔さ。いやもう本当に素晴らしいな。
そういえばなんですけど全然話は変わりますが、平安時代の京都御所の内裏って現在の京都御所とは場所が違っていて、住宅街になっているんですよ。
で、その内裏の中心部って今は普通の一軒家でして、ここを掘ればなかなか楽しいものが発掘できると学者は確信している。しかしその家に住むおじいちゃんが亡くなってからという約束があるので、ずっと待っているんだ。という話を10年位前に聞いたことが。
あのおじいちゃん、お元気かしらね。となんだか懐かしくなりました。
■F10 俺 in QQ 24時
医療モノ!ってことは以前覆面3で「ルシフェルの系譜」を書いたtomoyaさんに決定!?イエーイ!
と思ったけど、次の瞬間このブロックには曽野さんがいることを思い出しました。
ふぅ~、危ない。(笑)
個人的には分からなくもない職場環境なんで、状況は想像しやすいというか。
気持ちの受けとめって、必要ですよね。お客にも、そして働く側の自分にも。
…駄目だ。つい現実と重ね合わせて、個人的な話に流れて行ってしまう。(笑)
話はやはり力ある人が書いているなと。医療の現場を脇で支える側の視点で描いている。海堂尊の短編にも夜勤の様子を描いた短編がありましたね。
この短い尺の中で医療や現代の歪みを浮き彫りにさせ、なおかつ主人公の心の変化、成長をきちんと描いている。
なんかもう、すごいよな。作者さん、すごいな。
■F11 『四本の筆』
心洗われるようないいお話で、なおかつ色の技法についてもすんなりとお勉強できてしまうという。
結果的に教わるものは無いと判断し、去って行った学校でしたが、そのとき培った人脈で画家として大成したのだから、決して得るものが無かったわけではないですよね。
学校なんて、そんなものなのかもしれないなー。
しかし主人公、自分の才能と進むべき道、そして生まれたときから持っている特権すべてを分析し、最後に画商としてきっちりと行動する実行力をもっている。なかなか凄い人物だと思いました。
これもまた学生時代の出会いに端を発しているのだから、やっぱり学生時代って貴重ですよね。
■F12 白蛾降る
うがー。凄い好き!いいわ、この話。
女の情念と雪の白さと救いのない終わり方、すべてが渾然と溶け合って味になっている。こんな話、絶対自分では書けない。(笑)
身請けされたからといって、そこで幸福が待っているわけでもない。そんな彼女が唯一魂のよりどころとした、情人の墓。そこへ行き着こうにもすべてが白く覆い隠されて、彼女はそれを蛾のようだと嫌悪して。
でも、読んでいるこちらにはとても美しく、その光景は映って見える。
奇しくも同じ「白」を選んだ〔F07 許し〕は男のエゴを描いていて、こちらは女の情念を描いている。
面白いです。面白い。
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